売れない不動産の出口戦略とは?国庫帰属制度と民間引き取りの実態比較

「相続した土地が使い道も売却先も見つからない」
「山奥の土地、誰にも引き継いでもらえない…」
こんな“売れない不動産”に悩む方が年々増えています。
2023年からスタートした【相続土地国庫帰属制度】や、【民間の引き取り業者】の登場により、「負動産」を抱え込まずに処分できる選択肢が少しずつ広がっています。
本記事では、
・売れない不動産が増える背景
・国庫帰属制度のメリット・デメリット
・民間引取サービスの実態と比較
・実際にどう動けばいいか?
を、現場視点でわかりやすく解説します。
■第1章:なぜ「売れない不動産」がこんなに増えているのか?
かつては「土地を持っていれば資産になる」と信じられていました。しかし今、多くの不動産が持っているだけで“お荷物”になっているのが現実です。その理由は主に3つです。
1-1. 地方の人口減少・都市集中
都市部への人口集中により、山間部や地方の土地はニーズが急減。住宅地としても収益物件としても活用されず、「需要ゼロ」の状態に陥っている場所もあります。
1-2. 接道・地形・インフラの問題
・道がない土地(無道路地)
・崖地や不整形地
・上下水道・電気が通っていない山林原野
こうした条件の土地は再建築や売却がほぼ不可能です。
1-3. 名義問題・相続未登記・費用負担
登記が未了のままだと売るにも引き継ぐにも動けません。また、放置していると固定資産税や管理責任(草木・倒壊等)が発生。コストだけが積み上がる「負動産」になってしまいます。
■第2章:注目される「相続土地国庫帰属制度」とは?その現実と課題
2023年4月にスタートした「相続土地国庫帰属制度」は、相続した不要な土地を一定の条件のもと、国に引き取ってもらえる制度です。
2-1. 制度の目的と概要
「使い道がない土地を、相続人に無理に持たせない」ための救済制度。申請が認められれば、国が土地を引き取り、所有権を放棄できるようになります。
2-2. 条件は想像以上にシビア
この制度、実は「誰でも使える万能制度」ではありません。
・境界が確定していること
・建物がない更地であること
・崩壊や汚染などの瑕疵がないこと
・接道があること(無道路地はNG)
つまり、売れない土地ほど適用されにくいのが現実です。
2-3. 実際の申請数と通過率
制度初年度の申請件数は全国で約1,600件前後(法務省資料より)。そのうち、審査完了まで進んだのは約3割程度とされています。
書類の不備、境界トラブル、法務局での長期間の調査などにより、申請しても1年以上かかるケースもあります。
■第3章:民間の「引き取り業者」という選択肢もある
国庫帰属制度の代替案として注目されているのが、「民間の不動産引き取り事業者」です。
3-1. どんなサービス?
・不要な土地を有償で引き取る
・固定資産税や管理も引継ぎ
・さらに整地・再販・再活用までする業者も登場
たとえばLANDISSUES株式会社(グループ会社)では、
「1筆15万円+調査費や税金等」で全国の山林・原野・宅地を引き取っています。最短2週間で完了するケースもあり、スピード感と確実性が強みです。
3-2. メリットはスピードと確実性
・審査が柔軟
・費用が明確(追加課金なし)
・売却困難地でも引き取り実績あり
・登記・司法書士・測量サポートも一体化
3-3. 注意点:怪しい業者に要注意!
一部では「引き取る」と言いながら実態がない業者や、高額な調査費だけ取って逃げるケースも報告されています。
以下のような業者は避けましょう:
・会社住所や代表者情報が不明
・成約実績の掲載がない
・契約内容が不透明・口頭説明だけ
契約書・実績・口コミは必ずチェックしましょう。
■第4章:制度と業者の比較 – あなたはどちらを選ぶべき?
【比較一覧】
・費用:
国庫帰属制度 → 10〜30万円前後
民間業者 → 15万円+税等実費
・期間:
国庫帰属制度 → 数ヶ月〜1年以上
民間業者 → 最短2週間
・条件の厳しさ:
国庫帰属制度 → 非常に厳しい(適用外多数)
民間業者 → 比較的柔軟に対応可能
・安心感:
国 → 制度として信頼性高い
民間 → 会社によりバラツキあり
・事例と実績:
国 → 公開実績は少ない
民間 → 各社HPで事例多数あり
【結論】
・境界が明確・条件に自信あり → 国庫帰属制度
・売れない・複雑・急ぎたい → 民間引き取り業者
■まとめ:売れない不動産の“出口”は、必ずあります
「売れない不動産=永遠の負債」ではありません。今は国の制度も、民間の選択肢も整ってきています。
ポイントは以下の3ステップ:
- まずは専門家に相談(現状把握)
- 国庫帰属制度の条件に合うか確認
- ダメなら信頼できる引き取り業者に依頼
よりそい不動産では、こうした土地の無料診断・ご相談も承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。