相続した実家を放置すると危険!6つのリスクと対策【専門家が解説】

はじめに:相続した実家、放置していませんか?
「相続した実家をそのまま放置している」「空き家管理ができていない」と悩んでいる人は多いでしょう。
しかし、相続した家を放置すると固定資産税の増加・倒壊リスク・不法侵入・相続登記義務違反など、さまざまな問題が発生します。
本記事では、不動産専門家の視点で「相続した実家を放置するリスク」と「今すぐできる対策」を6つに分けて詳しく解説します。
1.固定資産税・都市計画税の増加【税負担リスク】
相続した家は空き家でも税金がかかる
相続した家を放置しても、固定資産税・都市計画税などの税金負担は毎年発生します。
特に建物付き土地は「住宅用地特例(1/6軽減)」が適用されますが、空家対策特別措置法に基づく「特定空家等」認定を受けると、この軽減が外され税額が最大6倍になる可能性があります。
ポイント
- 放置するほど税負担が重くなる
- 「住宅用地特例解除」リスクに注意
- 早めの売却・活用が税金節約に直結
2.建物老朽化・倒壊による損害賠償【管理責任リスク】
空き家は老朽化が早い
相続した家を放置すると、雨漏り・外壁剥離・シロアリ被害などが急速に進行します。
倒壊や飛散物による第三者への損害賠償リスクが高まり、所有者責任を問われることがあります。
ポイント
- 民法717条に基づく所有者責任
- 近隣住民・通行人への被害で高額賠償も
- 空き家保険・管理代行サービスの検討を
3.不法侵入・放火・犯罪利用【治安悪化リスク】
空き家は犯罪の温床になりやすい
不法侵入・放火・薬物犯罪・不法投棄など、管理されていない空き家は犯罪のターゲットになりやすいです。
郵便物の滞留・草木の繁茂・夜間の無灯火など、空き家とわかるサインを放置しないことが重要です。
ポイント
- 所有者責任が問われる可能性
- 近隣トラブル・地域の治安悪化につながる
- 防犯対策や定期巡回の依頼が有効
4.相続登記未了から生じる複雑化【法的リスク】
2024年4月から相続登記義務化
**相続した実家を放置して登記していない場合、3年以内に相続登記をしないと過料(10万円以下)**が科される可能性があります。
登記をしないと所有者不明土地となり、売却・活用・担保設定などが困難になります。
ポイント
- 相続登記は3年以内に必ず実施
- 権利者が増えると売却・処分がほぼ不可能
- 不動産専門家や司法書士に早めの相談を
5.近隣トラブル・景観悪化【社会的信用リスク】
「迷惑な空き家」として孤立する恐れ
草木の繁茂・ゴミ散乱・害虫発生など、放置された家は近隣住民に迷惑をかけます。
自治体から勧告・命令・行政代執行を受けるリスクもあり、結果的に取り壊し費用を請求されることになります。
ポイント
- 空家対策特別措置法に基づく強制執行あり
- 景観悪化・地域価値低下の原因になる
- 定期的な清掃・草刈り・ゴミ処分が必須
6.資産価値の下落・処分コスト増大【経済的リスク】
建物の価値は放置で確実に下がる
使わない家は、修繕費・解体費がかさみ、結果的に**「売れない・負動産化」するリスク**が高くなります。
相続人が増えれば合意形成も難しくなり、資産価値がほぼゼロになるケースもあります。
ポイント
- 資産価値下落は時間との勝負
- 早めに売却・賃貸・活用を決断することが重要
- 「相続土地国庫帰属制度」「引き取りサービス」なども視野に
相続した実家を放置しないための4つの対策
1.相続登記・名義変更を早めに
相続登記は義務化されています。司法書士などの専門家に相談し、早期に手続きを済ませましょう。
2.管理代行サービスを利用
遠方や多忙で管理できない場合、地元の不動産業者や管理会社に依頼し、定期巡回・草刈り・清掃を行ってもらうのがおすすめです。
3.売却・賃貸・活用を検討
駐車場・倉庫・シェアハウスなどへの活用も視野に入れましょう。早ければ早いほど資産価値の維持が可能です。
4.不要不動産引き取り・国庫帰属制度の活用
維持困難な場合は、民間の不要不動産引き取りサービスや相続土地国庫帰属制度を検討しましょう。ただし条件や費用が異なるため、事前相談が重要です。
まとめ:相続した実家を放置しないことが最大のリスク回避
相続した実家を放置することは、税金・管理・法的責任・資産価値の面で大きなリスクを抱える行為です。
「いつか処分しよう」と先延ばしにしているうちに、問題は雪だるま式に増えていきます。
**ポイントは「早めの対応」**です。相続登記・管理・活用・売却・引き取りなど、複数の選択肢を検討し、専門家に相談しながらベストな解決策を見つけましょう。